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Deck review

Bicycleに劣らず人気のデックタリホー。あの有名マジシャンも使用

Bicycleに劣らず人気のデックタリホー。あの有名マジシャンも使用

Bicycleと並んで、世界中のマジシャンに使われているデックがあります。
それがTally-Ho(タリホー)。 2000年代にお茶の間を賑わせたマジシャン、前田知洋さんが使用していたことでも有名です。

Overview

このデックも非常に有名かつファンが多いトランプデックで、愛用しているマジシャンは世界中にいます。 Bicycleと違い、「フィニッシュ」と言われるカードに施されるコーティングの仕方が違います。

一言で言うなら、

  • 紙に弾力があり、程よく滑る「Bicycle」
  • 髪が固く、滑りやすい「Tally-Ho」(ただ、昔のTally-Hoは柔らかかった)

といった感じですね。最近のタリホーは昔と比べて紙が固いものもあり、生産ロットによって微妙に差があったりします。

外観

前面 箱前面

背面 箱背面

デザインが非常におしゃれなパッケージだと個人的に思っています。
全面に描かれた「A.DOUGHERTY」という文字は、このデックを元々作っていた会社である「アンドリュー・デュハティ」の名前です。 ていうかデュハティーって読むんか、ってなりますね。初見殺し。

アンドリュー・デュハティは1907年にUSPCに買収され、同時にTally-HoもUSPCのブランドへと変わりました。

ちなみにNo.9はこのデックの製造コードですね。タリホーは9。
前回紹介したBicycleの製造コードは808です。

カードフェイス

カード表面

カードの構成は基本となる4種×13枚の52枚。
そして、Jokerはモノクロとカラーの2枚。こちらはたんなる色違いですね。

余談ですが、「Tally Ho」というのはキツネ狩りの際に使われる掛け声で、キツネを見つけた人が叫ぶ声 が由来となっています。

出てきたキツネを発見したら見張り役は「タリホー」と叫び、声に合わせてハンツマンは猟犬たちを追跡に向かわせ、競技参加者がその後を追う。 (Wikipediaより)

なので、Jokerで描かれている人は、キツネ狩りの格好をしています。
残り2枚のカードは、広告カード。ゲームには使用しないものですね。

タリホーのカードの特徴としてはなんと言っても、エースのデザインがおしゃれなことです。
その派手さでこのデックをマジックに使うマジシャンもいるほどです。
このデザインがまさにデュハティーさんの偉業。

カードバック

スプレッドした画

カードの背面は、特徴的な円形の模様です。
タリホーにはこの円形模様の「サークルバック」と和風なセンスが描かれた「ファンバック」の2種類の模様があります。 前田知洋さんが使っていた影響か、日本では「サークルバック」のほうが圧倒的に人気ですね。 海外のマジシャンはファンバックを使う人も一定数いるようです。

これも余談なんですが、基本的にカードの背面は上下を逆にしても模様がおなじになる(天地がない)ようにデザインされています。 しかし、このタリホーは実は天地が存在しています。さてどこでしょうか。興味のある人は、ぜひ実物を手にとって探してみてください。

カードの側面

側面

カットの質はBicycleよりも良いように思えます。ケバ立ちなどは特にありません。
2019・2020に作られたロットは、それ以前のものと比べると品質が上がったように感じます。

カードの薄さ

薄さ

Bicycleより、カード1枚分だけタリホーのほうが厚い。 といえども、数枚持った程度でそこまで違いを感じるほどではないです。
これもロット差もあるかも。

総評

総評としては以下の感じです。 ※個人の見解です

内容評価備考
価格★★★★★400円前後。これも安い。ダースで買うと更にディスカウントできるお店もあります。
薄さ★★☆☆☆Bicycleより、カード1枚分厚い
コシ★★★★☆ちょっと固め。スプリングをした時やリフルシャッフル時は、固さを感じるかも。
滑り★★★★☆表現しにくいですが、Bicycleがサラッと広がるのに対して、タリホーはヌメッと広がる感じ。好みとも言えますが、シャッフルを多用するマジックには向いてるように思います。
ファローのしやすさ★★★★☆問題なくできます。ファローシャッフルも問題なし。
カットの方向トラディショナルカットです。
指先でのカウント★★★★☆エッジがきれいなのあり、Bicycleよりかはやりやすいかも。大きな差ではないです。

おわりに

筆者がカードマジックにハマり、好きになるきっかけとなったのは前田知洋さんのマジックをテレビで見たからでした。 当時は真ん中に入れたカードが一番上に上がってくるというマジックに大変目を奪われたのを覚えています。
生まれて初めて購入したマジック用トランプも、タリホーでした。

前田さんをきっかけでこのトランプの存在を知った人も多いのではないでしょうか?
ちなみに前田さん本人は、このタリホーに金の縁が入った特別仕様のデックを使用されています。一度は生で見てみたいものです。