フランスにあるMagic Dream社から、超おしゃれなデックが発売されました。 その名も、Bicycle Passport Project。このデック、なんとカードのバックがすべて国旗になっているのです。 54枚の国旗を手にして、あなたはどんなマジックをしますか??
Bicycleのデックやレインボーデックは世界に数多く存在しますが、 今回ご紹介するものはかなり異色のデックです。「Passport Project」の名の通り、カードの裏面が国旗になっています。
54枚全てが違う国旗。
「トランプは裏面が同じじゃないと意味がないんじゃない?」と思ったそこのあなた!
いえいえ、そんなことはありませんよ。レインボーデックにはそれなりの使い方があるのです。
しかも今回は、国旗と来たものですから、 「旅行に行きたい国はありますか?」といった会話などからマジックを始めることもできます。
ただし、ババ抜きや大富豪をするなら相手のカードが丸わかりですね笑
前面
背面
箱は一見、通常のBicycleと同じような外見をしています。
しかも裏面は、通常のStandard Faceの裏面のオマージュですね笑
アメリカとフランスの国旗が描かれています。
カードの構成は、まず基本の52枚。
Jokerはありません。代わりに、エースのカードが多めに入っています(後述)
そしてアメリカ国旗のダブルパックカード、どのカードがどの国旗かを説明しているカードです。
ブラジル国旗は、スペードのエース
ウルグアイ国旗は、ハートのエースがそれぞれ割当られています。
しかし、この2枚は別バージョンがそれぞれ1枚ずつ付属しており、
ブラジル国旗はクローバーのエース(通常はスイス国旗)
ウルグアイ国旗はダイヤのエース(通常は南アメリカ国旗)が別にあるのです。
つまり、エースはクローバーとダイヤは2枚づつ存在しています。
この時点でいくつかマジックを思いついた人もいるのではないでしょうか。パフォーマンスの幅が広がりますね。
全54枚のカードは以下のとおりです。日本もちゃんとありますね笑
こうして並べるときれいですね。
国旗の上に、金色のインクでBicycleの柄がきちんと印刷されています。
このデックはよく見るRider Back(天使が自転車に乗っている図柄)ではなく、
女神が手を広げているMaiden Back(メイデンバック)の方ですね。
これ最初、「どういう順番で国旗に番号が割り振られているのだろう?」と思ったのですが、 デックに付属している解説動画を見たところ理由がありました。
国名をアルファベット順に並び替えると「ネモニカスタック」の順番になるとのことです。
・・・なるほど、考えられてますね。
※ネモニカスタックは、スペイン出身のマジシャン、フアン・タマリッツ氏が考案したメモライズドデックの一つです。
このサイトでも後日解説記事を書きたいと思っています。
引っかかるようなケベケバさはなし。かといって、つるつるという程でもないです。
よくある普通のカットされたトランプという印象。とくに使いにくくもないです。
薄さは現行のBicycleと全く同じです。
総評としては以下の感じです。
※星はレベルが低いという意味ではありません。またこれらはすべて個人の見解です
内容 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
価格 | ★☆☆☆☆ | お値段は高いです。3500円前後。手間ひまかけて作られたOEMのデックなので、仕方ないといえば仕方ない。レインボーデックはどうしても割高になっていまいますね。 |
薄さ | ★★★☆☆ | Bicycleと変わらず。普段Bicycleをお使いの方は違和感なく使用できるかともいます。 |
コシ | ★★★☆☆ | こちらもBicycleと変わらず。硬すぎず、柔らかすぎず、扱いやすいかともいます。 |
滑り | ★★★★☆ | 滑りに関しては、通常のBicycleよりも滑りやすいと感じます。ファンがやりやすい印象を受けました |
ファローのしやすさ | ★★★★☆ | 問題なく入ります。開封直後は硬さを感じるかもしれませんが、馴染んでくると入ってきます |
カットの方向 | 裏 | いわゆるモダンカット。通常のBicycleと違ったのが意外でした。 |
指先でのカウント | ★★★☆☆ | 問題なくできます。まあこのデックであまりカウントを多用するマジックはしないかもしれませんが笑 |
個人的に国旗を眺めるのが好きな自分にとっては、非常に刺さるデックでした。
あらかじめ予言で適当に国の名前をメモに書き記しておき、
「どこか行きたい国はある?自分が当ててみますよ」といって、カードをフォースして当ててみたり、
デックスイッチをして「カードが国旗になっちゃった!」と演じてもいいでしょう。
外国人の友だちがいれば、「あなたの出身国を当ててみます」といって
通常のBicycleなどのデックに1枚だけこのデックのカードを紛れさせ、
カード(国)を当てるなどのマジックをしても面白いと思います。
と、扱う題材が国になっただけで演技の幅が増えるのが予想できるこのデック。
お値段が少し高いので気軽にとは言えませんが、気になったひとは買ってみてはいかがでしょうか。