一口にカードマジックといっても色々あります。手順通りにやれば誰でもできる 「セルフワーキング」、シークレットムーブなどを練習して行う「スライハンド」など。 その他にも、裏面から表のカードを当てられるマークドデックを使用したものもあります。
今回ご紹介するデックは、もう最初に言ってしまいます。マークドデックです。
マークドデックというのは、 裏面から表のカードが何であるか当てることのできる仕掛けが施されたデックのことですね。 つまり、カードの表面を相手に向けながら「これはスペードのAですね?」などと言ってカードを当てることが可能になるのです。
もちろん、ジロジロ裏面を見てると観客に怪しまれてしまいますが、何度も練習を重ね 一瞬で判断できる練習をすると、素晴らしいマジックが披露できるようになります!
前面
背面
箱の外観はシンプルです。赤色にワンポイントでKnightsシリーズのロゴが入っています。 地味に箔押し。光にかざすとキラキラと輝きます。
裏側には、キング&クイーン(王と女王)、ビショップ(僧兵)、ナイト(騎士)、ルーク(城)、ポーン(歩兵)という順番で アイコンが描かれています。・・・実はこのアイコンが、後に大事になるので覚えておいてください。
ケースの中側にも箔押しがされています。マークと市松模様でおしゃれに作られていますね。
ただ少し、ケースの紙が薄くて柔らかい(画用紙みたい)な印象を受けました。
長期間使用しているとケースの痛みは早いかもしれません。
カードは基本の52枚。そして、Jokerのデュプリケイトが2枚。さらに謎めいたカードが2枚付属しています。 これはおそらく、このデックをデザインしたダニエル・マディソン(M)とクリス・ラムセイ(R)の頭文字をとったデザインカードではないかと思われます。
このカードはUSPC社のBeeクオリティで作られたカードであり、非常に扱いやすいデックとなっています。
カードを広げたらこんな感じ。
裏面にはチェスの駒が散りばめられたデザインになっています。
さてこのデック、冒頭でも述べましたがマークドデックです。
左上がカードのスーツを、右上に数字がわかるような仕組みが施されています。
詳しく見ていきましょう。まずはスーツの見分けから
凝視しないとわかりませんが、左上にあるキングの駒の先にある十字の模様が微妙に変化しているのがわかります。 左から順に、
となっています。わかりにくいですが、マジックをするならこれぐらいわかりにくい方がやりやすいと思います。
次に、数字の方ですがこれは実際にアニメーションで見てもらった方がわかりやすいかと思います。
なんと、右上の駒の種類と向きによって数字が表現されています。
先ほど、ケースの裏に書かれたアイコンを覚えておいてくださいと言いました。
この順番に数字が大きくなっているのです。 ポーンには1、ナイトには3、ルークには5が割り振られておりそれぞれ駒の組み合わせでわかるようになっています。
例えば、4ならルークとポーン。10ならナイトが2つ、のように。 ジャックとクイーンとキングにはそれぞれ、ビショップ・クイーン・キングが割り当てられています。 こちらはわかりやすいですね。(Jokerは逆さまのキングになっています)
このように、左上でマークを見て、右上でナンバーを確認することで数字を当てることができます。
真上から
斜めから
エンボス加工はいつも写真からでは少しわかりにくいかもしれませんが、 微細な凹凸ががるのが確認できます。実際に滑りも文句なしです。
さすがBeeクオリティなだけあって、側面はケバケバなし。サラサラとしています。
(ケースの底面にEllusionistのロゴ箔押しが見えますね)
カードの薄さはBicycleとくらべて1枚薄いです。ちょい薄。
総評としては以下の感じです。
※星はレベルが低いという意味ではありません。またこれらはすべて個人の見解です
内容 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
価格 | ★★★★☆ | 1000円前後。ちょい高め。ただ、OEMデックでかつマークドデックなのでそれを踏まえるとお買い得では?という印象。 |
薄さ | ★★★★☆ | Bicycleより1枚分薄め。パスを多用したりするようなマジックには向いているかも |
コシ | ★★★☆☆ | Bicycleと同じ程度。硬すぎず、柔らかすぎず。 |
滑り | ★★★★☆ | 滑りはとても良いです。それでいて滑りすぎない。ダブルリフトしてみても、大きくずれるようなことはありません。 |
ファローのしやすさ | ★★★★★ | ファローもとてもしやすいです。すっと入る印象。カットと髪の質の良さを感じます。 |
カットの方向 | 表 | トラディショナルカットですね。ファローの際はご参考に。 |
指先でのカウント | ★★★★☆ | 1枚1枚きれいに弾けていくので、カウントはやりやすいです。 |
カードの質も高く、裏面のマーク仕様も相まって、非常にマジック向けのデックと言った印象です。 ケースの紙質が柔らかいので、持ち歩く際はなにかもう一つ別のケースに入れることをおすすめします。
このデックで神経衰弱やババ抜きをすると勝ちすぎてしまうので、使用の際はご注意を!笑
・・・そんな人いないですかね。