今もラスベガスに現存しているカジノ、Jerry’s Nugget。 1970年代に、かつてそこの売店で売られていたデックがありました。 名だたるカードマジシャンが気に入ったそのデックはいつしかプレミアに。 そして2019年、復刻版が発売されました。
ネバダ州ラスベガスにある、Jerry’s Nugget。
ジェリーロッジとジェリースタミスという人物によって設立されます。
1970年代に、このカジノの売店でカジノを意匠としたトランプが発売されます。ちなみに、このデックはカジノのゲーム自体では使われておらず あくまで記念品として売られていたようです。
後年になり、そのカードの品質の高さが評価され様々マジシャンに使用されます。 ダイ・バーノン、ラリー・ジェニングス、エドワード・マルロー、ダン&デイブ等々・・・。 その結果、デックの価格は高騰し、今では1デックあたり2万から3万円ほどの価格になっています。
商品の価値が高騰してくると、湧いてくるのは偽物。 まあこれは触るとすぐに偽物であるのがわかるような粗悪品だったようですが、それでも市場に悪影響を与えました。
2019年になり、Expert Playing Card CompanyとJerry’s Nuggetが手を組み、 それならオフィシャルで復刻デックを作ろう!とプロジェクトが始動します。 その結果、公式の復刻デックがモダンフィールとヴィンテージフィールの2種類で再販されることとなりました。
前面
背面
ケースの外観は非常にシンプル。カジノのネオンサインが上下に配置されています。 これはカードのバックデザインにも適用されています。
基本の52枚の他には、なんとJokerが3枚ついています。2枚は黒色のJoker、1枚は赤色のJoker。 そして、もう1枚は背景の青色が無いデザインのカード。
このカードの裏側はブランクフェイスになっています。
上のエースのカードをよく見ると、スペードのマークの下に小さく「MF」と書かれているのが確認できます。 これは、先ほど述べた復刻版のうち、モダンフィール(Modern feel)の頭文字を表しています。
この文字が、もしVFと書かれていればそちらはヴィンテージフィール(Vintage feel)になります。 VF版のデックも欲しいですがなかなか入手できず。こちらもし入手できればまたレビュー載せようと思います。
カードの裏面はケースと同じ、カジノのネオンサインを元にしたデザイン。
ちなみに突然ですが、「Nugget」(=ナゲット)の意味ってみなさんご存知ですか?
我々の生活でナゲットと言うと、チキンナゲットが思い浮かぶと思います。
これはじつは「金塊」を表す英単語で、カジノで富を築こうという意味合いが感じられます。 チキンナゲットは金塊に見た目が似ていることから、そう呼ばれるようになったらしいです。ちょっとよくわからないですね笑
このデックの印刷はUSPCが行っているため、Bicycleのようなエンボス加工が確認できます。
側面はサラサラとしており、カットの品質の高さが感じられます。 毛羽立ちなどは特に感じられません
Bicycleよりも1枚分だけ厚い状態。違和感なく使用できるかと思います。
総評としては以下の感じです。
※星はレベルが低いという意味ではありません。またこれらはすべて個人の見解です
以前紹介したCherry Casinoがフィクションのカジノだったのに対して、今回のデックは実際に存在するカジノのデックでした。 というもののカジノ内で実際に使われているわけではないので、記念品としての意味合いが強いのかもしれません。
よくある幾何学的な模様のバックデザインに飽きてきた方は、このような「実際の建造物をモチーフにしたデック」を使ってみるのも良いかも。 マジックを演じながら、アイスブレイクに「ちなみにこの裏のデザインね、実際にあるカジノなんですよ」なんていう雑学を交えながらトークも展開できるかもしれません。