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Deck review

宇宙で飲むお酒は、きっと美味しく愛おしい。夢広がるFuture Barの世界

宇宙で飲むお酒は、きっと美味しく愛おしい。夢広がるFuture Barの世界

前回に引き続き、本根康之さんデザインのデック紹介第2弾。 今度のデックは宇宙と未来とお酒がテーマ。 カードを眺めていると、そんな非現実的な空間への憧れが膨らむ素敵なデックです。

Overview: 宇宙開発について

個人的な話で恐縮ですが筆者は理系男子でかつ、SiriusBデックの時にちらっと触れましたが、 幼少期の将来の夢が「天文学者」でした。星と宇宙が大好きな子供で、スペースシャトルの模型を手に持ちながら遊ぶような子でした。

将来人類が地球を飛び出して宇宙に行くのはいつ頃になるんだろう・・・。
スペースシャトルに乗るためにはどうしたら良いんだろう・・・。

そんな妄想を繰り返す毎日でした。
技術は日進月歩で進んでいくものの、宇宙開発は膨大なお金がかかりまた危険もつきものです。 でもだからこそ、人々は強いあこがれを抱き、思いを馳せるのではないかと思います。

ドラえもんのアニメなどでも、宇宙空間には割と簡単に行ける描写になっており、 「身近に感じるものの、手を伸ばせば届かない」そんな存在にいつしかなっていきました。

そんな筆者だからこそなのかもしれませんが、このデックに強く心惹かれることとなります。

Bicycle Future barについて

前回のBicycle OWLでご紹介させていただいた、ゲームクリエイターでもありアーティストでもある本根康之さん。 そんな本根さんが50歳を迎える記念に作成されたデックが、このBicycle Future Barです。

公式サイトからの引用:

今回のデック『FUTURE BAR』は、50歳記念デックでもあります。 『スペースエイジ』をキーワードに、宇宙開発に夢を見ていた生誕時代の未来観の延長と、 どんなに時代が進んでも変わらないであろう『酒』文化をテーマに、 自分の大好物を詰め込んだデックになります 。 未来にはジェンダーレスも進むと思い、絵札のキャラクター達は性別を曖昧にしてあります。

ケース・フェイス・バックどれを見ても感じることのできる未来感。そして、絵札に登場する美しい人物達。 そして、なにより本根さんの絵のタッチが醸し出す、独特の空間演出。 カードを1枚ずつ見ていくと、描かれていないところまで想像力が働く、そんな不思議なデックです。

個人的にはこのデザインとトランプという媒体のマッチ具合が絶妙で、デックだからこそ表現できるものもあるのだなという感想をいだきました。

早速、ご紹介していきましょう!

外観

前面 箱前面

前面には、お酒とロケットが描かれたスペードのマークが真ん中にあります。 背景の楕円状のものは宇宙船のような気がします。この中にBarがあるのでしょうか。

下の方にはYASUYUKI HONNEの文字が。 そして写真ではわかりにくいですが、この金色の部分は光を当てるとメタリックにキラキラと輝きます。

背面 箱背面

背面は前面にも一部採用されていたデザイン。カードのバックと同一のものです。 宇宙に佇むコロニーのような外観をしたものが描かれています。

昔の漫画・アニメで描かれていた「宇宙が登場する作品」でもある 「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」、「機動戦士ガンダム」を思い出しそうなオブジェに見えます。

クロージャーシール クロージャーシール

今回もクロージャーシールはオリジナル。前面のデザインと同じスペードのマークが採用されています。 これも開けるのがもったいない!!・・・でも開けていきます!

ケース内部 ケース内部

なんとケース内部にも、デザインが!
手間とコストが掛かっているが垣間見えます。・・・すごい。

カードフェイス

カード表面

構成は、基本的な52枚に加えてデュプリケイトのJokerが2枚。非常に独特なお酒の飲み方をしています。 公式サイトによると、これは銀河鉄道999でメーテルがとった行動のオマージュなのだとか。もし該当シーンのコミックスをお持ちの方がいらっしゃいましたら、 ぜひ探して比較してみてください。 他にはブランクカードが1枚。広告カードが1枚付属しています。

エースはケースの前面にも描かれていた、ロケットとお酒で構成されたスペードのマーク。 補色の関係で色が使われているのもあり、ハイカラな雰囲気が漂っています。

絵札は、このデックのテーマであるBar(=お酒)を表現したものになっています。 おしゃれな人達が、思い思いのお酒を楽しんでいます。ワインかな?カクテルかな?それともウイスキー?と想像がふくらみますね。

以下に全絵札のイラストを掲載します。

スペードとダイヤ ハートとクラブ

前作と同様1枚1枚が丁寧に描かれており、このデックを作るのに非常に多くの時間と思いが込められているのを感じることが出来ます。

絵札すべて

数字札すべて

数字の札も、前回と同様に1枚1枚が新しくデザインされています。

数字スプレッド

スプレッドをすると、1枚1枚の数字とマークがデザインされてるのを実感できます。 視認性はあげつつも、デックの個性が出ている素敵なスタイルです。

数字スプレッド

スプレッド幅が狭くても、きっちり認識することが出来ます。

カードバック

スプレッドした画

カードの裏面は、ケース背面と同じく宇宙船を模したFutureBarが描かれています。 そしてみなさんすでにお気づきかもしれませんが、裏面もフルカラーとなっております(すごい!)

この裏面、よく見れば見るほどデザインが細かいことに気づきます。 これだけ芸術的で美しい形・配色をしているにも関わらず、点対称がきちんと保たれている(=天地がない)のは圧巻です。 本当に素晴らしいの一言。

スプレッドした画

スプレッドしたときも、非常にきれいに滑りながら広がっていきます。

カード表面

上から 表面のエンボス加工

斜めから 表面のエンボス加工

エンボス加工ですが、通常のBicycleと同じでしっかりあります。 ビビッドな配色なせいか、よりくっきりと見える気もします。

カードの側面

側面

カットの品質は問題なし。ケバ立ちもなく、サラサラとしています。 ファローも入りやすいです。

カードの薄さ

薄さ

薄さはBicycleと同じ。マジックにも違和感なく、使用することが出来ます。 (ちょっともったいないかもしれませんが)

総評

総評としては以下の感じです。
※星はレベルが低いという意味ではありません。またこれらはすべて個人の見解です

  • 価格 - ★★☆☆☆
    • お値段1,980円。前作と同じく、値段だけをみると多少高く感じるかもしれませんが、これだけ全てがカスタマイズされており、手間がかかっていることを考えれば非常に安いのではないかと個人的には感じました。特に、デザインが本当におしゃれで気に入ってるので、値段に対する違和感は特にありません。
  • 薄さ - ★★★☆☆
    • Bicycleとより、全く同じ厚さです。普段遣いがBicycleの人にとっては、安心して移行できます。
  • コシ - ★★★☆☆
    • こちらも通常のBicycleと同様。硬すぎず柔らかすぎず、です。
  • 滑り - ★★★★☆
    • 非常によく滑ります。ファンもしやすくカードもスルッと広がる。スライハンドをするデックとして申し分ないです。
  • ファローのしやすさ - ★★★★★
    • カットの品質は非常に良いです。当たりロットだったのかもしれませんが、ファローは力を入れずにすっと入ります。
  • カットの方向 - 表
    • トラディショナルカットです。こちらも通常のBicycleと同じ。
  • 指先でのカウント - ★★★★☆
    • マジックに必要なカードのポテンシャルは備えています。指でサイドを舐めていっても、1枚1枚を感じることが出来ます。ピンキーカウント問題なし。

おわりに

Bicycle OWL同様に、細部隅々までこだわり抜かれた今回のFuture Bar。

前回のときにも感じたことではありますが、今回はさらに労力と根気が投入されたデックだったのではないかと感じました。 フェイスのデザインもバックのデザインも非常に細かく、また世界観を感じる余白が残された設計になっています。

「きっと未来の世界でお酒を飲んだらこんな風になるのかな」
「宇宙船から輝く星を肴に飲むお酒は、どんな味がするんだろうか」

そんな妄想が広がっていく素敵なデックに感じました。

実はこのデック、完成版ではなく次への布石となっております。 本根さんが本当に作りたかったのは、このデックをさらに発展させた「Holographic Gilded版」になります。 カードのエッジがプリズムのようにキラキラと輝くそれはそれは幻想的なデックになっております。

そちらの方はまた次回以降、ご紹介させていただければと思っております。

精力的にトランプを作成されている本根さん、次回作を作られるとしたら一体どんなものをお考えなのでしょうか。期待が高まります。

また、今回紹介したFuture Barのデック、以下のサイトにて購入が可能となっております。 興味を持たれた方は覗きに行ってみてくださいませ。

そして、筆者はだんだんと自分もオリジナルデックが作りたくなって来ています。 休日はもしかしたらIllustratorを起動して、あれこれデザインを考えているかも・・・笑

ちなみに、筆者はこのクラブのジャックのキャラクターに強く心惹かれました。 元の絵があれば、スマホの待受にしたいぐらい笑

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